私たちの身の回りには、様々な電機機器が溢れています。パソコン、スマートフォン、テレビや自動車など、それらを当たり前のように私たちは使用しています。ですがよく考えてみてください、このような製品ってすごくないですか?一つの物を作るのに、想像絶する数の技術が詰め込まれているんですよ!!全ての物は1から作られています!!
例えばある電化製品を作るとしましょう。
外枠のプラスチックは石油から、炭素の鎖から任意の長さに分断して、よく分からない原子もしくは分子をくっ付けて…と、何十という工程を経て初めて外枠が完成します。この工程も人が発見したから出来ることです。
内部の電子回路では、もちろん電子部品から作られています。もっと踏み込めば、電子部品を作る前に「こういった材料の組み合わせをすれば、こう動作する」という発見の積み重ねで、一つの電子部品が完成します。これが数百個組み合わさって一つの回路が完成します。
電子回路だけでは物は動きません。プログラムが必要です。ですが我々はコンピュータの言語である2進数だけでは非常に難解なのでプログラムを組めません。プログラム言語が必要です。その言語もC言語から始まりC++、java、Python、unity、PHPなど言語が作られたから初めていじれるものです。
というように、たった一つの製品を形にするのだけで、人類の英知の結晶一つ一つが集約されているのです!!
今あなたが見ているであろう、スマホ、パソコンだって数兆人、あるいは数京人という膨大な数の人々の知識の結晶なのです!!
どうですか?物凄いことだと思いませんか?
そんな、先人が発見した偉大な知識ほんっっっの一部、電子部品の仕組みにつて説明していきたいと思います。
ここでは「ダイオード」の説明をします。
ダイオードとは
一言で言うと、電流の「弁」です。図2にダイオードの電子部品の記号と弁のイメージを示します。
図2で示したように電流を一方方向にしか流さないものです。これが、ダイオードです。ではなぜこのような動作をするのでしょうか?それは、ある二種類の半導体を用いることでこの動作を実現しています。その二種類というのがP(Positive)型半導体と、N(Negative)型半導体です。言葉だけだとよく分からないので、図で書いてみましょう。図3にP型半導体と、N型半導体を示します。
P型半導体とN型半導体の違いは内部に電子が足りないか、余っているかの違いです。もう少し詳しく言うと、最外殻電子に電子が足りなくて孤立電子が出来るか、電子が多すぎて孤立電子が出来るかの違いです。よって、正孔がある方をP(Positive)型、電子がある方をN(Negative)型と呼びます。わかりやすいですね(笑)
作り方は、超簡単!!第14族であるSiは最外殻電子余っていないので、共有結合結晶を構成する原子ですが、そこに第13族をドーピング(混ぜる事)させることによって、P型半導体を作ります。一方、第15族をドーピングすることでN型半導体を作ります。
だから、半導体製造技術でシリコンの純度が99.999999999%!!というように「いくつ9くっ付けるんだよ!」と突っ込んでしまいそうになるほど、細かい所まで言うわけです。だって半導体は100 %のシリコンに不純物を組み込むことで成り立つ部品だから!
ちなみに、純シリコンの製造技術は日本が世界一です!!嬉しいですね!!
そして、こいつらを合体させます。図4にpn接合型ダイオード内部構造のイメージ図を示します。
この形にするだけで、上記も言った電流の「弁」を担うようになります。これを実際の回路に組み込んでみましょう。図5に回路に組み込んだ際の内部構造の挙動イメージを示します。
電流が流れる際の内部の電子の挙動は、ただダイオード内を流れるだけです。この時、ある一定の電圧が印加された時に電流が流れだすのですが、その時の電圧は約0.6 Vになります。この電圧を順方向電圧と言います。一方流れない時は内部の電子が端に引き寄せられることで、電位差を相殺し電流が流れません。これが「弁」の仕組みです。
順方向電圧が約0.6 Vの理由
順方向電圧が発生する理由、これはpn接合型ダイオードの仕組みに起因します。P型とN型の接合部分には、電子も正孔もない「空乏層」が形成されます。この時、P型とN型の内部に存在する正孔と電子により空乏層内は電位差が発生しています。この電位差を「拡散電位」と言います。この拡散電位よりも大きな電圧が印加されたときに、電流が流れるようになります。この電圧が約0.6 Vとなっています。
厳密に説明しようとすると、「キャリア密度」とか「フェルミ準位」、「ビルトインポテンシャル」などについての理解をしないといけません。私は完璧に理解できていないので、今のところの説明はここまでとします。
すんません(笑)
豆知識
この「弁」の役割を担う部品が、最初から半導体を用いたものだったわけではありません。最初は真空管(陰極線管)を用いることで、この「弁」の作用を再現していました。図6に真空管バージョンのダイオードのイメージを示します。
真空管を用いた回路では図6の方向に電圧を印加した時のみ電流が流れます。逆は流れないのです!!この作用を昔の人は発見したらしいです。ただ、真空管はヒーターを使うので無茶苦茶熱い!さらにデカい。しかもちゃんと冷やさないと熱暴走する…最悪ですね(笑)もし半導体を用いた構造を発見できなかったら…
その時代の人々からすれば、今の私たちの生活はSF映画のようなものなのです!!
実験しちゃいます
・端子b-c間の電圧をデジタルテスタで測定しながら直流電源電圧V₀を変化させ抵抗(2 kΩ)の両端電圧VRを測定する
・抵抗の電圧VRよりダイオードの電圧VDと電流値IDを算出する
この実験結果を表1に示します。
表だけだと分かりずらいので、図も書きます。
図を見ればわかりやすいのですが、ダイオード電圧が大体0.6 Vの時(順方向電圧)、急に電流が流れるようになってるでしょ?これがa→bの方向に電流が流れた時です。一方、ダイオード電圧がマイナスの時は電流が流れていません。
「a→bの向きにのみ電流を流す」っていうことを表しているのがわかります!!
一方、この実験では確認できませんでしたが、メチャメチャマイナスの電圧を印加するといつか図4のように、反対側の電流が流れ出します。いつ流れ出すかはわかりません、流れた時はぶっ壊れた時なんで(笑)この時の電圧を逆方向電圧降下電圧と言います。
ダイオードの種類
ダイオードは実は結構種類が多いです。一例を挙げるだけでも
1.ツェナーダイオード
2.ゲルマニュウムダイオード
3.ショットキーバリアダイオード
4.ファストリカバリダイオード
5.発光ダイオード
など
これだけあります。それぞれ特性が違います。
1.ツェナーダイオード
ちなみに、逆方向に電流が流れた時は壊れていませんよ?こんな特性になるように作られた素子です。
この現象を「ツェナー降伏」と言います。ツェナーダイオードの空乏層は非常に狭いので、逆の電圧を印加した際、普通のダイオードよりも低い電圧で電流を流しだします。
では、こいつがあると何の得があるんでしょうか?
図7のダイオードがツェナーダイオードに変わった回路を考えてください。
こんな感じ。*ダイオードの向きが逆になってるので気を付けてね。
この時のツェナーダイオードの逆方向電圧は図6に示した、約5.5 Vとしましょう。その時、電源から電圧を10 V印加します。
すると…ダイオードで約5.5 V電圧降下して抵抗Rに約4.5 V印加されます!!
意味わかりましたか?電源から来た電圧をツェナーダイオードの逆方向電圧分だけ電圧降下して、その先の回路に印加することが出来るのです!この時の逆方向電圧は素子によって様々な種類があります。
2.ゲルマニウムダイオード
このダイオードは、「シリコンの代わりにゲルマニウムを用いて作るダイオード」です。周期表を見れば一目瞭然なのですが、この原子Geはシリコンと同じ第14族であります。そのためSiと全く同じようにpn接合でダイオードを作製します。特徴は順方向電圧が約0.2 Vと低い点が挙げられます。
3.ショットキーバリアダイオード
このダイオードは金属と半導体を接合させることで作製します。この時発生する「ショットキー障壁」という特性を用いてダイオードの特性を示します。
4.ファストリカバリダイオード
このダイオードはめちゃめちゃ高周波も整流できるダイオードとなります。別名高速ダイオードです。
5.発光ダイオード
発光するダイオードです。ハイ終わり(笑)
まとめ
今回はダイオードの仕組みについて記事にしてみました。では、ダイオードとは何か!!
電流の「弁」
これだけでも覚えてくれたらうれしいです!!
とても小さな部品なのですが、非常に奥が深く、複雑な現象が内部で発生しています。とても面白いですね!!
例えばある電化製品を作るとしましょう。
外枠のプラスチックは石油から、炭素の鎖から任意の長さに分断して、よく分からない原子もしくは分子をくっ付けて…と、何十という工程を経て初めて外枠が完成します。この工程も人が発見したから出来ることです。
内部の電子回路では、もちろん電子部品から作られています。もっと踏み込めば、電子部品を作る前に「こういった材料の組み合わせをすれば、こう動作する」という発見の積み重ねで、一つの電子部品が完成します。これが数百個組み合わさって一つの回路が完成します。
電子回路だけでは物は動きません。プログラムが必要です。ですが我々はコンピュータの言語である2進数だけでは非常に難解なのでプログラムを組めません。プログラム言語が必要です。その言語もC言語から始まりC++、java、Python、unity、PHPなど言語が作られたから初めていじれるものです。
というように、たった一つの製品を形にするのだけで、人類の英知の結晶一つ一つが集約されているのです!!
今あなたが見ているであろう、スマホ、パソコンだって数兆人、あるいは数京人という膨大な数の人々の知識の結晶なのです!!
どうですか?物凄いことだと思いませんか?
そんな、先人が発見した偉大な知識ほんっっっの一部、電子部品の仕組みにつて説明していきたいと思います。
ここでは「ダイオード」の説明をします。
図1 ダイオード
ダイオードとは
一言で言うと、電流の「弁」です。図2にダイオードの電子部品の記号と弁のイメージを示します。
図2 ダイオードの電子部品の記号と弁のイメージ
図2で示したように電流を一方方向にしか流さないものです。これが、ダイオードです。ではなぜこのような動作をするのでしょうか?それは、ある二種類の半導体を用いることでこの動作を実現しています。その二種類というのがP(Positive)型半導体と、N(Negative)型半導体です。言葉だけだとよく分からないので、図で書いてみましょう。図3にP型半導体と、N型半導体を示します。
図3 P型半導体と、N型半導体の仕組み
P型半導体とN型半導体の違いは内部に電子が足りないか、余っているかの違いです。もう少し詳しく言うと、最外殻電子に電子が足りなくて孤立電子が出来るか、電子が多すぎて孤立電子が出来るかの違いです。よって、正孔がある方をP(Positive)型、電子がある方をN(Negative)型と呼びます。わかりやすいですね(笑)
作り方は、超簡単!!第14族であるSiは最外殻電子余っていないので、共有結合結晶を構成する原子ですが、そこに第13族をドーピング(混ぜる事)させることによって、P型半導体を作ります。一方、第15族をドーピングすることでN型半導体を作ります。
だから、半導体製造技術でシリコンの純度が99.999999999%!!というように「いくつ9くっ付けるんだよ!」と突っ込んでしまいそうになるほど、細かい所まで言うわけです。だって半導体は100 %のシリコンに不純物を組み込むことで成り立つ部品だから!
ちなみに、純シリコンの製造技術は日本が世界一です!!嬉しいですね!!
そして、こいつらを合体させます。図4にpn接合型ダイオード内部構造のイメージ図を示します。
図4 ダイオード内部構造のイメージ
この形にするだけで、上記も言った電流の「弁」を担うようになります。これを実際の回路に組み込んでみましょう。図5に回路に組み込んだ際の内部構造の挙動イメージを示します。
図5 回路に組み込んだ際の内部構造の挙動イメージ
電流が流れる際の内部の電子の挙動は、ただダイオード内を流れるだけです。この時、ある一定の電圧が印加された時に電流が流れだすのですが、その時の電圧は約0.6 Vになります。この電圧を順方向電圧と言います。一方流れない時は内部の電子が端に引き寄せられることで、電位差を相殺し電流が流れません。これが「弁」の仕組みです。
順方向電圧が約0.6 Vの理由
順方向電圧が発生する理由、これはpn接合型ダイオードの仕組みに起因します。P型とN型の接合部分には、電子も正孔もない「空乏層」が形成されます。この時、P型とN型の内部に存在する正孔と電子により空乏層内は電位差が発生しています。この電位差を「拡散電位」と言います。この拡散電位よりも大きな電圧が印加されたときに、電流が流れるようになります。この電圧が約0.6 Vとなっています。
厳密に説明しようとすると、「キャリア密度」とか「フェルミ準位」、「ビルトインポテンシャル」などについての理解をしないといけません。私は完璧に理解できていないので、今のところの説明はここまでとします。
すんません(笑)
豆知識
この「弁」の役割を担う部品が、最初から半導体を用いたものだったわけではありません。最初は真空管(陰極線管)を用いることで、この「弁」の作用を再現していました。図6に真空管バージョンのダイオードのイメージを示します。
図6 真空管バージョンのダイオードのイメージ
真空管を用いた回路では図6の方向に電圧を印加した時のみ電流が流れます。逆は流れないのです!!この作用を昔の人は発見したらしいです。ただ、真空管はヒーターを使うので無茶苦茶熱い!さらにデカい。しかもちゃんと冷やさないと熱暴走する…最悪ですね(笑)もし半導体を用いた構造を発見できなかったら…
その時代の人々からすれば、今の私たちの生活はSF映画のようなものなのです!!
実験しちゃいます
図7 ダイオード回路図
・端子b-c間の電圧をデジタルテスタで測定しながら直流電源電圧V₀を変化させ抵抗(2 kΩ)の両端電圧VRを測定する
・抵抗の電圧VRよりダイオードの電圧VDと電流値IDを算出する
この実験結果を表1に示します。
表1 ダイオードの実験結果
表だけだと分かりずらいので、図も書きます。
図8 ダイオード電圧と電流の関係
図を見ればわかりやすいのですが、ダイオード電圧が大体0.6 Vの時(順方向電圧)、急に電流が流れるようになってるでしょ?これがa→bの方向に電流が流れた時です。一方、ダイオード電圧がマイナスの時は電流が流れていません。
「a→bの向きにのみ電流を流す」っていうことを表しているのがわかります!!
一方、この実験では確認できませんでしたが、メチャメチャマイナスの電圧を印加するといつか図4のように、反対側の電流が流れ出します。いつ流れ出すかはわかりません、流れた時はぶっ壊れた時なんで(笑)この時の電圧を逆方向電圧降下電圧と言います。
図9 ダイオード逆方向電圧の図
ダイオードの種類
ダイオードは実は結構種類が多いです。一例を挙げるだけでも
1.ツェナーダイオード
2.ゲルマニュウムダイオード
3.ショットキーバリアダイオード
4.ファストリカバリダイオード
5.発光ダイオード
など
これだけあります。それぞれ特性が違います。
1.ツェナーダイオード
ツェナーダイオードとは…ダイオードとついてるだけに、上記の「ダイオードと同じような特性」を示します。違う点それは「逆方向電圧が低い」ってこと!!
図10に示しますね。図8を流用しちゃうんですが、こんな感じで普通のダイオードと比べて低い逆方向電圧で電流が上がれ始めます。図10 ツェナーダイオードの電圧と電流の関係
ちなみに、逆方向に電流が流れた時は壊れていませんよ?こんな特性になるように作られた素子です。
この現象を「ツェナー降伏」と言います。ツェナーダイオードの空乏層は非常に狭いので、逆の電圧を印加した際、普通のダイオードよりも低い電圧で電流を流しだします。
では、こいつがあると何の得があるんでしょうか?
図7のダイオードがツェナーダイオードに変わった回路を考えてください。
こんな感じ。*ダイオードの向きが逆になってるので気を付けてね。
この時のツェナーダイオードの逆方向電圧は図6に示した、約5.5 Vとしましょう。その時、電源から電圧を10 V印加します。
すると…ダイオードで約5.5 V電圧降下して抵抗Rに約4.5 V印加されます!!
意味わかりましたか?電源から来た電圧をツェナーダイオードの逆方向電圧分だけ電圧降下して、その先の回路に印加することが出来るのです!この時の逆方向電圧は素子によって様々な種類があります。
2.ゲルマニウムダイオード
このダイオードは、「シリコンの代わりにゲルマニウムを用いて作るダイオード」です。周期表を見れば一目瞭然なのですが、この原子Geはシリコンと同じ第14族であります。そのためSiと全く同じようにpn接合でダイオードを作製します。特徴は順方向電圧が約0.2 Vと低い点が挙げられます。
3.ショットキーバリアダイオード
このダイオードは金属と半導体を接合させることで作製します。この時発生する「ショットキー障壁」という特性を用いてダイオードの特性を示します。
4.ファストリカバリダイオード
このダイオードはめちゃめちゃ高周波も整流できるダイオードとなります。別名高速ダイオードです。
5.発光ダイオード
発光するダイオードです。ハイ終わり(笑)
まとめ
今回はダイオードの仕組みについて記事にしてみました。では、ダイオードとは何か!!
電流の「弁」
これだけでも覚えてくれたらうれしいです!!
とても小さな部品なのですが、非常に奥が深く、複雑な現象が内部で発生しています。とても面白いですね!!
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