(原理編は①②で構成されています。最初は言ってる意味が分からないと思いますが、最後にすべての話が繋がります。是非すべて読んでみてください)
コイルガン作ります!!
皆さんコイルガンって、何か知ってますか?簡単に言うと「電磁石で物を飛ばすやつ」です。ここではその電磁石で物を飛ばすやつの「物が飛ぶ原理」と「作り方」を紹介できればなと思います。調べると作り方は載っていても、なぜ物を飛ばせるのか原理は載っていませんよね?あったとしても、文字ばっかで読む気になれません(笑)そんな皆さんのモヤモヤした気持ちが晴れると嬉しいです。今回紹介する作り方はよく「コイルガン作り方」で検索すると出で来る、IC555を使用したDC-DC昇圧回路を用いたものではなく、IC555を用いないDC-DC昇圧回路での作製に試みました。理由は、昔授業でコンパレータの事について勉強したので、こっちを利用して作ってみたくなっただけです(笑)
*感電すると死ぬので参考にする場合は自己責任でお願いします。なぜ死ぬかはこちら、試算してみてください…
「コイルガンの作り方~原理編~」←今これ
「コイルガンの作り方~回路編~」(後日更新)
「コイルガンの作り方~作ってみましたよ編~」(後日更新)
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さて、コイルガンとはどんなものか分かったところで、皆さんに質問します。
「コイルガンはどうやって物を飛ばしますか?」
は?何言っているんだ、そんなの今言ってたじゃねーか、電磁石だよ!!
と思いましたね?もう少し詳しく質問します。
「電磁石はどういう現象で物を引き付けていますか?」
どうですか?説明できる人は、なかなか少ないと思います?
こんな偉そうに記事を書いている私も、前まで説明できませんでした(笑)なのに、ドヤ顔で「コイルガンは電磁石で物を飛ばすやつなんだよ!!」と友達に言いふらす始末。「なんで電磁石で引きつけられるの?」の質問を皮切りに爆氏しました(笑)
恥ずかしい…//
皆さんは、この記事を読んで、私の後を追わないようにしてください!!
導入もこれくらいにして、説明に入っていきます。まずは電磁気のおさらいから!!
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・$div\textbf{D}=\rho$ (1)
・$rot\textbf{E}+\frac{\partial\textbf{B}}{\partial t}=0$ (2)
・$div\textbf{B}=0$ (3)
・$rot\textbf{H}-\frac{\partial\textbf{D}}{\partial t}=\textbf{i}$ (4)
の4式が挙げられます。
この式は、全ての電磁気現象を表すことが出来る神の公式です!!
ただ、初めて見た人にはいったい何を言っているのかさっぱりわかりません。自分も初めて見た時は、「意味わからん、大学生やーめよ」と思いました(笑)そもそも数式に入るこの「div」「rot」って何よ、から始まります。
まずdivから
「div」とは「ダイバージェンス」と読み発散と言う意味を持ちます。イメージで言うと
次はrot
「rot」とは「ローテーション」と読み回転と言う意味を持ちます。イメージで言うと
そしたら何となくマクスウェルの方程式の言ってることわかってきませんか?分からなくてもイメージが少しでもできればいいです。この先読み進めればわかってくると思います。ここの説明で使うのは
・$div\textbf{B}=0$ (3)
・$rot\textbf{H}-\frac{\partial\textbf{D}}{\partial t}=\textbf{i}$ (4)
になります。磁気は電界の式と同じ形をしているのですが。ほんの少しだけ考え方が違います。
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いきなりですが磁荷とは何か、ずばり電荷の磁界バージョンです。
式で言うと式(3)のことで$div\textbf{B}=0$と表します。
この式、電荷の式(1)の$div\textbf{D}=\rho$と似ていますよね?ただ少しだけ違うのは右辺がρか0かってことぐらい。これの意味することは、「電荷ρと違い磁荷は存在しない」ってことを言っています。何を言っているかって?下の図を見てください。
\[div\textbf{B}=0\]
で表せるように右辺が0になります。このため磁荷は存在しません。
クーロンの法則
いきなりですが図6を見てください、こちらは透磁率μ[H/m]中に2つの磁荷m₁とm₂[wb]がr離れている時を示しています。
また、静電気学との類似性から$\textbf{F}=q_{2}\textbf{E}$と同形式の
・$\textbf{F}=m_{2}\textbf{H}$ (6)
とも表せる。
この(5)(6)より
・$\textbf{H}=\frac{m_{1}}{4πμr^2}\frac{\textbf{r}}{r}$ [A/m] (7)
と変形できる。これが磁界の強さH[A/m]を示します。
磁気モーメント
大きさが等しく符号が異なる2つの磁極±mが微小距離lだけ離れて存在するものを「磁気双極子」と言う。磁気双極子のモデルの一つとして微小電流ループが考えられ、図7に示したように磁界を発生させせます。
大きさ:μ₀Si
向き:右ネジの法則の方向
これは電場の式が磁場でも当てはまると類推して求められた式となる。また、磁界Hに置かれたMの磁気双極子は図8に示したような力を受ける。
・$\textbf{T}=\textbf{j}×m\textbf{H}=\textbf{M}×\textbf{H}$ (8)
と書くことが出来る。ここで示している×は外積なので注意。
*注意点
トルクの定義より、トルクの向きはMとHの外積の向きになる。
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・$\textbf{Jm}=\frac{Δ\textbf{m}}{Δ\textbf{V}}$ (9)
と示すことが出来る。ここでのΔmを磁荷モーメントのベクトル和、ΔVを物質内微小体積を表しています。また、磁性体内の磁束密度は
・$\textbf{B}=μ_{0}\textbf{H}+\textbf{Jm}$ [T] (10)
と示すことが出来ます。ここでのJmが作る磁荷の磁束密度は密度が
・$\textbf{im}=\frac{1}{μ_{0}}rot\textbf{Jm}$ (11)
で示される電流によって発生するものと同じものになります。この電流を「磁化電流」と言います。
ここ、ややこしいんでまとめます。
磁化:磁気モーメントを誘導すること→現象名「磁気誘導」
磁性体:磁気誘導が起こる物質
磁荷ベクトル≒磁荷モーメント
さて、磁性体には全部で3種類あります。この3種類は今説明した磁荷ベクトルがどうなるかによって種類分けされています。
・反磁性体:Jmが磁界と逆方向
・常磁性体:Jmが磁界と同じ方向(アルミなど)
・強磁性体:常磁性体の中でも強い磁気誘導を示すもの(鉄、コバルト、ニッケルなど)
磁性体内で起こっていること
磁性体の中では自由電流ifと磁化電流imが流れます。ここで言っている自由電流とは普通の伝導電流の事です。ifとimが起因して発生する磁束密度をBfとBmと書き、磁性体の内で発生する磁束密度を
・$\textbf{B}=\textbf{Bf}+\textbf{Bm}$ (12)
で示すとき。この磁束密度は
・$rot\textbf{B}=μ_{0}(\textbf{Bf}+\textbf{Bm})$ (13)
・$div\textbf{B}=0$
と表せます。この時(10)(11)(13)の式により
・$rot\textbf{H}=\textbf{if}$ (14)
を導出する事が出来ます。この式は磁性体を含む系でのアンペールの周回積分の微分系を示しています。
$\oint_C\mathbf{\textbf{H}}\cdot d\mathbf{r}=Nif$ (15)
いきなり式を書きましたがこれは図11に示した磁性体中の磁界の強さを示した式になります。(積分路CでN回鎖交している場合)
$\oint_C\mathbf{\textbf{H}}\cdot d\mathbf{r}=2πrH$ (16)
を示しているため式(15)(16)より
磁界の強さHは
・$H=\frac{i}{2πr}$ (17)
と示す事が出来ます。これは真空中でも磁性体中でも磁界の強さは(17)で示した強さであるという事を示しています。
今日はここまでにします。
まだ、予備知識をぶち込んでるだけなので、意味わからないと思います。ですが!!次回にはその気持ちも晴れるでしょう!!
次回「コイルガンの作り方~磁気原理編②~」
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コイルガン作り方シリーズ
「コイルガンの作り方~磁気原理編①~」←今ここ
「コイルガンの作り方~磁気原理編②~」
「コイルガンの作り方~回路編①電子部品の説明~」
「コイルガンの作り方~回路編②オペアンプについて~」
「コイルガンの作り方~回路編③矩形波の生成~」
「コイルガンの作り方~回路編④回路設計~」
「コイルガンの作り方~回路編⑤組み立て~」
「コイルガンの作り方~完成編~」
参考「どのくらいの電圧、電流で死ぬの?」
参考「1万5000円で買えるオシロスコープ」
「コイルガンの作り方~磁気原理編①~」←今ここ
「コイルガンの作り方~磁気原理編②~」
「コイルガンの作り方~回路編①電子部品の説明~」
「コイルガンの作り方~回路編②オペアンプについて~」
「コイルガンの作り方~回路編③矩形波の生成~」
「コイルガンの作り方~回路編④回路設計~」
「コイルガンの作り方~回路編⑤組み立て~」
「コイルガンの作り方~完成編~」
参考「どのくらいの電圧、電流で死ぬの?」
参考「1万5000円で買えるオシロスコープ」
コイルガン作ります!!
皆さんコイルガンって、何か知ってますか?簡単に言うと「電磁石で物を飛ばすやつ」です。ここではその電磁石で物を飛ばすやつの「物が飛ぶ原理」と「作り方」を紹介できればなと思います。調べると作り方は載っていても、なぜ物を飛ばせるのか原理は載っていませんよね?あったとしても、文字ばっかで読む気になれません(笑)そんな皆さんのモヤモヤした気持ちが晴れると嬉しいです。今回紹介する作り方はよく「コイルガン作り方」で検索すると出で来る、IC555を使用したDC-DC昇圧回路を用いたものではなく、IC555を用いないDC-DC昇圧回路での作製に試みました。理由は、昔授業でコンパレータの事について勉強したので、こっちを利用して作ってみたくなっただけです(笑)
*感電すると死ぬので参考にする場合は自己責任でお願いします。なぜ死ぬかはこちら、試算してみてください…
記事の構成
こちらの記事は全部で3種類に分けて書いていきたいと考えています。「コイルガンの作り方~原理編~」←今これ
「コイルガンの作り方~回路編~」(後日更新)
「コイルガンの作り方~作ってみましたよ編~」(後日更新)
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コイルガンとは
先程、「コイルガンとは何か」→「電磁石で物を飛ばすやつ」と説明しました。もう少し詳しく説明するとソレノイドコイルの中に強磁性体(現状、私は常磁性体でも行けるのではないか、と考えています。理由は後程)を置き、コイルに瞬間的に大電流を流すことで発生した磁場によって吸い出し、物体を飛ばすやつです。さて、コイルガンとはどんなものか分かったところで、皆さんに質問します。
「コイルガンはどうやって物を飛ばしますか?」
は?何言っているんだ、そんなの今言ってたじゃねーか、電磁石だよ!!
と思いましたね?もう少し詳しく質問します。
「電磁石はどういう現象で物を引き付けていますか?」
どうですか?説明できる人は、なかなか少ないと思います?
こんな偉そうに記事を書いている私も、前まで説明できませんでした(笑)なのに、ドヤ顔で「コイルガンは電磁石で物を飛ばすやつなんだよ!!」と友達に言いふらす始末。「なんで電磁石で引きつけられるの?」の質問を皮切りに爆氏しました(笑)
恥ずかしい…//
皆さんは、この記事を読んで、私の後を追わないようにしてください!!
導入もこれくらいにして、説明に入っていきます。まずは電磁気のおさらいから!!
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マクスウェル方程式
まずは有無を言わさずマクスウェルの方程式を書きます。ここで示す式の太字はベクトルを示します。また、D:電束密度、E:電場、B:磁束密度、H:磁場、ρ:電荷密度、i:電流密度を表しています。・$div\textbf{D}=\rho$ (1)
・$rot\textbf{E}+\frac{\partial\textbf{B}}{\partial t}=0$ (2)
・$div\textbf{B}=0$ (3)
・$rot\textbf{H}-\frac{\partial\textbf{D}}{\partial t}=\textbf{i}$ (4)
の4式が挙げられます。
この式は、全ての電磁気現象を表すことが出来る神の公式です!!
ただ、初めて見た人にはいったい何を言っているのかさっぱりわかりません。自分も初めて見た時は、「意味わからん、大学生やーめよ」と思いました(笑)そもそも数式に入るこの「div」「rot」って何よ、から始まります。
まずdivから
「div」とは「ダイバージェンス」と読み発散と言う意味を持ちます。イメージで言うと
図1 divのイメージ
こんな感じ。これは3次元的に広がっていると思ってください。点電荷の電気力線と同じようなイメージです。この言い方すると(1)の式とかものすごく身近にに思えてきませんか?だって$div\textbf{D}=\rho$って単位書くと[C/m3]ですよ?電荷密度です!!
次はrot
「rot」とは「ローテーション」と読み回転と言う意味を持ちます。イメージで言うと
図2 rotのイメージ
こんな感じ。右ネジの法則で言うと、親指に該当する部分!!定義式に外積が用いられているので、「親指」とイメージすればいいです(笑)そしたら(2)式とかも簡単に思えてきませんか?だって$rot\textbf{E}+\frac{\partial\textbf{B}}{\partial t}=0$ってファラデーの電磁誘導の式とおんなじです!あの、コイルに磁石通すと逆起電力が発生しますってやつ!!そしたら何となくマクスウェルの方程式の言ってることわかってきませんか?分からなくてもイメージが少しでもできればいいです。この先読み進めればわかってくると思います。ここの説明で使うのは
・$div\textbf{B}=0$ (3)
・$rot\textbf{H}-\frac{\partial\textbf{D}}{\partial t}=\textbf{i}$ (4)
になります。磁気は電界の式と同じ形をしているのですが。ほんの少しだけ考え方が違います。
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磁石と磁荷の話
磁荷とはいきなりですが磁荷とは何か、ずばり電荷の磁界バージョンです。
式で言うと式(3)のことで$div\textbf{B}=0$と表します。
この式、電荷の式(1)の$div\textbf{D}=\rho$と似ていますよね?ただ少しだけ違うのは右辺がρか0かってことぐらい。これの意味することは、「電荷ρと違い磁荷は存在しない」ってことを言っています。何を言っているかって?下の図を見てください。
図3 磁荷のイメージ
これが式(3)$div\textbf{B}=0$のイメージになります。まだ意味わからないと思います。図4 磁石の磁界モデル
図4は磁石の磁力線モデルになります。皆さん一度はこう思ったことはありませんか?「磁石を割ればN極とS極分断できるんじゃね?」と。しかし実際は出来ません。磁石を割っても分かれた磁石にN極とS極が発現します。そうです。N極とS極は必ずセットで存在するのです。つまり上の磁荷のイメージで示した図3のように、磁石をどんなに細かくしても電荷のように、N極単体の磁力線、S極単体の磁力線は引くことが出来ないのです。なのでイメージとしては図3のように書きますが、N極もしくはS極単体で存在することが出来ないので式(3)の\[div\textbf{B}=0\]
で表せるように右辺が0になります。このため磁荷は存在しません。
図5 引き付けあう磁石
しかし、図5で示したように磁石はN極とS極を向かい合わせると、引き付けあいます。これ、電荷の+電荷とー電荷でも同じようなことが起きますよね?なので電荷と同じように、あたかも磁荷が存在しているように考えることが出来ます。と言うか、存在していると考えた方が後々便利です。という事で、本当は存在していませんが、電荷[C/m³]の磁界バージョン、磁荷[wb]と物があると考えます。この[wb]は「ウェーバ」と読みます。クーロンの法則
いきなりですが図6を見てください、こちらは透磁率μ[H/m]中に2つの磁荷m₁とm₂[wb]がr離れている時を示しています。
図6 透磁率μ[H/m]中に2つの磁荷m₁とm₂[wb]がr離れている時を示している図
と示すことが出来ます。この時二つの磁荷に加わる力は
・$\textbf{F}=\frac{m_{1}m_{2}}{4πμr^2}\frac{\textbf{r}}{r}$ (5)
・$\textbf{F}=\frac{m_{1}m_{2}}{4πμr^2}\frac{\textbf{r}}{r}$ (5)
また、静電気学との類似性から$\textbf{F}=q_{2}\textbf{E}$と同形式の
・$\textbf{F}=m_{2}\textbf{H}$ (6)
とも表せる。
この(5)(6)より
・$\textbf{H}=\frac{m_{1}}{4πμr^2}\frac{\textbf{r}}{r}$ [A/m] (7)
と変形できる。これが磁界の強さH[A/m]を示します。
磁気モーメント
大きさが等しく符号が異なる2つの磁極±mが微小距離lだけ離れて存在するものを「磁気双極子」と言う。磁気双極子のモデルの一つとして微小電流ループが考えられ、図7に示したように磁界を発生させせます。
図7 微小電流ループモデル
赤色の電流ループを考えて、電流をi面積をSとすると磁気モーメントMは大きさ:μ₀Si
向き:右ネジの法則の方向
これは電場の式が磁場でも当てはまると類推して求められた式となる。また、磁界Hに置かれたMの磁気双極子は図8に示したような力を受ける。
図8 磁気双極子が受ける力
この時、lが十分に小さい時受ける力は大きさが等しく向きが逆のものとなります。この磁石がちっっっっちゃくなった時、もはや一つの点で逆向きの力が働いていると考えられるでしょ?この時磁気双極子にはトルクが働いているといえます。その式は・$\textbf{T}=\textbf{j}×m\textbf{H}=\textbf{M}×\textbf{H}$ (8)
と書くことが出来る。ここで示している×は外積なので注意。
*注意点
トルクの定義より、トルクの向きはMとHの外積の向きになる。
図9 トルクの向き
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磁性体とは
物質を磁界中に入れる時、磁性を帯びます。その時、磁気モーメントを誘導することを「磁化」と言います。この現象を「磁気誘導」と言いこの現象が起こる物質を「磁性体」と言います。また、磁気誘導により磁性体の単位体積当たりに生じる磁気モーメントを「磁荷ベクトル」と言います。この時磁荷ベクトルJmは・$\textbf{Jm}=\frac{Δ\textbf{m}}{Δ\textbf{V}}$ (9)
と示すことが出来る。ここでのΔmを磁荷モーメントのベクトル和、ΔVを物質内微小体積を表しています。また、磁性体内の磁束密度は
・$\textbf{B}=μ_{0}\textbf{H}+\textbf{Jm}$ [T] (10)
と示すことが出来ます。ここでのJmが作る磁荷の磁束密度は密度が
・$\textbf{im}=\frac{1}{μ_{0}}rot\textbf{Jm}$ (11)
で示される電流によって発生するものと同じものになります。この電流を「磁化電流」と言います。
ここ、ややこしいんでまとめます。
磁化:磁気モーメントを誘導すること→現象名「磁気誘導」
磁性体:磁気誘導が起こる物質
磁荷ベクトル≒磁荷モーメント
図10 磁荷ベクトルと磁化電流のモデル図
さて、磁性体には全部で3種類あります。この3種類は今説明した磁荷ベクトルがどうなるかによって種類分けされています。
・反磁性体:Jmが磁界と逆方向
・常磁性体:Jmが磁界と同じ方向(アルミなど)
・強磁性体:常磁性体の中でも強い磁気誘導を示すもの(鉄、コバルト、ニッケルなど)
磁性体内で起こっていること
磁性体の中では自由電流ifと磁化電流imが流れます。ここで言っている自由電流とは普通の伝導電流の事です。ifとimが起因して発生する磁束密度をBfとBmと書き、磁性体の内で発生する磁束密度を
・$\textbf{B}=\textbf{Bf}+\textbf{Bm}$ (12)
で示すとき。この磁束密度は
・$rot\textbf{B}=μ_{0}(\textbf{Bf}+\textbf{Bm})$ (13)
・$div\textbf{B}=0$
と表せます。この時(10)(11)(13)の式により
・$rot\textbf{H}=\textbf{if}$ (14)
を導出する事が出来ます。この式は磁性体を含む系でのアンペールの周回積分の微分系を示しています。
$\oint_C\mathbf{\textbf{H}}\cdot d\mathbf{r}=Nif$ (15)
いきなり式を書きましたがこれは図11に示した磁性体中の磁界の強さを示した式になります。(積分路CでN回鎖交している場合)
図11磁性体中の磁界を示すためのモデル
式(15)の$\oint_C\mathbf{\textbf{H}}\cdot d\mathbf{r}$部分は$\oint_C\mathbf{\textbf{H}}\cdot d\mathbf{r}=2πrH$ (16)
を示しているため式(15)(16)より
磁界の強さHは
・$H=\frac{i}{2πr}$ (17)
と示す事が出来ます。これは真空中でも磁性体中でも磁界の強さは(17)で示した強さであるという事を示しています。
今日はここまでにします。
まだ、予備知識をぶち込んでるだけなので、意味わからないと思います。ですが!!次回にはその気持ちも晴れるでしょう!!
次回「コイルガンの作り方~磁気原理編②~」
目次へ
コイルガン作り方シリーズ
「コイルガンの作り方~磁気原理編①~」←今ここ
「コイルガンの作り方~磁気原理編②~」
「コイルガンの作り方~回路編①電子部品の説明~」
「コイルガンの作り方~回路編②オペアンプについて~」
「コイルガンの作り方~回路編③矩形波の生成~」
「コイルガンの作り方~回路編④回路設計~」
「コイルガンの作り方~回路編⑤組み立て~」
「コイルガンの作り方~完成編~」
参考「どのくらいの電圧、電流で死ぬの?」
参考「1万5000円で買えるオシロスコープ」
「コイルガンの作り方~磁気原理編①~」←今ここ
「コイルガンの作り方~磁気原理編②~」
「コイルガンの作り方~回路編①電子部品の説明~」
「コイルガンの作り方~回路編②オペアンプについて~」
「コイルガンの作り方~回路編③矩形波の生成~」
「コイルガンの作り方~回路編④回路設計~」
「コイルガンの作り方~回路編⑤組み立て~」
「コイルガンの作り方~完成編~」
参考「どのくらいの電圧、電流で死ぬの?」
参考「1万5000円で買えるオシロスコープ」
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