今回は、DC-DC昇圧回路と、昇圧回路を始動するために矩形波生成回路について説明します。


コンデンサの充電回路

コンデンサは電荷をためる部品です。その電荷をためたり放出する速さはコンデンサと、抵抗の値によって変化します。図1の回路を考えましょう。
コンデンサ
図1 コンデンサ充電回路

この回路を組んだ時のコンデンサ電圧は
・$V(t)=V_{0}(1-e^{\frac{-t}{RC}})$ (1)
の式で表される変化をします。その曲線はこんな感じ
コンデンサじゅ
図2 コンデンサ充電時の電圧の軌跡



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コンデンサの放電回路

今度は放電時のコンデンサ電圧を考えます。上記図1と同じ回路を考えます。この時電源を取り外して回路をショートさせるとコンデンサに充電されていた電荷が流れ出します。その時のコンデンサ管電圧は
$V(t)=V_{0}e^{\frac{-t}{RC}}$ (2)
の式で表すことが出来ます。その時の曲線はこうなります。
コンデンサほ
図3 コンデンサ放電時の電圧の軌跡



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矩形波の生成

次は矩形波の生成方法について説明します。この矩形波がDC-DC昇圧回路を作るうえで重要な要素となります。
まずこの波形を生成するのに必要な考え方、それは「コイルガンの作り方~回路編②オペアンプについて~」で説明したシュミット回路コンデンサの充電放電回路コンパレータ回路の3つです!!シュミット回路って覚えていますか?
シュミット回路
図4 シュミット回路の挙動

図4に示してあるような、ある閾値を超えるとオペアンプからの出力電圧が変化するといった回路です。この閾値を超えた時にオペアンプから出力される電圧を0 Vと正の電圧にすることで、コンデンサに充放電させることが出来ます。その回路がこれ!!図5にシュミっと回路を用いたコンデンサの充放電回路を示す。
コンデンサ充放電回路
図5 シュミット回路を用いたコンデンサの充放電回路

原理は分かりますか?例えばR₁=R₂=1 kΩ、R₃=10k Ω、コンデンサの静電容量を1 µFとしましょう。この時、シュミット回路の特性は図6のようになります。
コンデンサ充放電回路シュミット回路
図6 例の条件時のシュミット回路特性

回路を初めて導通させた時は、Vout=15 Vとなるため、コンデンサに充電され始めます。
この電圧が徐々に高まっていき10 Vに達した時、Vout=0 Vとなります。
すると今度はコンデンサから充電されていた電荷が放電されます。
徐々に電圧が下がっていきコンデンサ電圧が2.5 Vになった時Vout=15 Vになります…

この繰り返しです。試しにこの条件でシュミレーションをしてみましょう。結果がこちら!!
コンデンサ充放電回路充放電
図7 上記条件でのシュミレーション結果

シュミレーション結果でもちゃんと2.5 Vから10 V間でコンデンサの充放電が起きているのが確認できます。

では次にこのコンデンサの充放電の電圧信号から矩形波を生成していきましょう!やり方は簡単!下図の回路を組むだけです。
矩形波生成
図8 矩形波生成回路

これはコンデンサの充放電回路にコンパレータ回路を組み込んだだけです!前回の記事を覚えている人はもうわかりましたね?
忘れた人はこちらにgo!!「コイルガンの作り方~回路編②オペアンプについて~
これはVout側の電圧が5 Vより大きいか小さいかによって、Vout2から出力される電圧が0 Vか15 V出力される回路です!!シュミレーションいきますよ!!結果をドーーン!!赤がコンデンサの充放電電圧、緑がVout2の電圧、水色が外部電源の5 Vを示しています。
矩形波生成シュミレーション
図9 矩形波生成回路のシュミレーション結果

完璧ですね。コンデンサ電圧が比較対象の5 Vと比較した時に大きいか小さいかで、Vout2電圧が0 Vと15 Vに変化しているのがわかります。これの便利なところが、外部電源の5 Vを変化させることで、矩形波のデューティー比を変化させることが出来るところです。デューティー比とは矩形波の上限と下限の比のことを言います。例えば上限が全体の90 %を占めていた場合は「デューティー比90 %」と言います。試しに外部電源の電圧が9 Vの時のシュミレーションをやってみましょう。結果がこれ!
矩形波生成シュミレーションデューティー比
図10 矩形波生成回路シュミレーション外部電源可変後の結果 

文句のつけようがないですね!!


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DC-DC昇圧回路

今回はDC-DC昇圧回路として「昇圧チョッパ回路」を用います。この回路は簡単に言うと、スイッチめっちゃチカチカしてインダクタンスにたまったエネルギーを加算していくイメージの回路です。回路はこれ!!
昇圧チョッパ回路
図11 昇圧チョッパ回路

トランジスタのオン時間をTon、オフ時間をToffとします。

トランジスタがオンの期間はダイオードはコンデンサからの逆電圧を受けます。つまり回路が電源側と負荷抵抗側で分断されます。この時の回路は図12で示される形となります。
昇圧チョッパ回路オン時
図12 トランジスタがオンの時の等価回路

この時
・$V_{L}=V$ (3)
の関係が成り立ちます。
次にトランジスタがオフの時は図13の等価回路が成り立ちます。
昇圧チョッパ回路オフ時
図13 トランジスタがオフの時の等価回路

この時、Vcをコンデンサ管電圧とすると
・$V_{L}=V-V_{C}$ (4)
が成り立ちます。
んで、この時、インダクタンス部分で発生する電圧は図14に示す形になります。
昇圧チョッパ回路オンオフ時
図14 VLの電圧の変化

この時VLか交流電圧であるためには時間平均の値が0にならないといけません。A+A'=0にならないといけないって事ね。この時、
・$VT_{on}=-(V-V_{C})T_{off}$ (5)
が成りたちます。これ変形すると
・$V_{C}=\frac{T_{on}+T_{off}}{T_{off}}V$ (6)
になります。こんな式書けましたが、インダクタンス部分は定常様態では交流電圧しか加わらないんですよ。ってことは必ずV<Vcが成り立ち、出力電圧が入力電圧よりも高くなります。


さらっと昇圧チョッパ回路の核心を書きましたが、メチャメチャ凄いことになってるの気づきましたか?式6見ると分かるんですが、この回路、入力した電圧よりも大きな電圧が出力側で得れれているんですよ!!
これがDC-DC昇圧回路の一つである昇圧チョッパ回路です。これでコイルガンの発射用コンデンサに充電する高電圧を発生させます。


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今回は以上になります。
次回「コイルガンの作り方~回路編④回路設計~」に続く





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